娘への虐待 その後①
私が10歳の娘に暴力と暴言を加えた日、藁にもすがる思いで189へ電話をしたが、結局地域の支援課を頼れとたらい回され、翌日、住んでいる地区の支援課へ電話する。
仕事なので昼休憩中に電話すると、
「担当者が昼休憩のため、再度連絡をしてください」
という返事。
そりゃそうだ。職員にも昼休憩はある。
はて、
私も仕事がある。
夜まである。
いつ電話しようか。
役所の受付は17:15まで。
土日は無し。
うーむ。
仕事をしている人間にとっては、連絡をとることすらまぁまぁハードルが高い。
夕方、何とか30分ほど時間がとれたので電話する。
早速担当者へつないでもらう。
「担当のHです」
んんん…!
この人は去年娘の相談をしていた人ではないか。
Hさんは家庭児童相談員という方だ。
ウチは今年から、より年齢層を絞った教育相談という部署に相談場所を変えた。
家庭児童相談→教育相談→虐待→189→家庭児童相談
…振り出しに戻っとる。
職員はいろいろな担当を兼任してるんですね。
そりゃそうか。
ともかく、以前お世話になった挨拶も早々に、私が娘に虐待を加えた事実を伝え、今後どのようにしたらいいのか相談してみる。
10分ほど傾聴していただいた後、
「とりあえず、娘にしたことをあやまり、理由を説明してあげてください」
と伝えられる。
確かに、娘が聞く耳をもつかどうかにかかわらず、謝罪は大事だ。
そして、こう伝えられる。
「あとは奥様に連絡をとらさせてください。今後のことは奥様と相談してみますね」
…???
妻…?
まぁ、妻にもコンタクトは必要だろう。
だが、しかし…
困ってるのはワシなんだが…。
父の存在とは…
夫の存在とは…
ワシは早々にリングから降ろされ、あとは二人からの指令を待つのみ…
まぁ、そんなもんか。
夜、帰宅し娘に謝る。
一瞬、娘の顔が曇る。
しかし、娘は趣味のスライムづくりに没頭しているため、その場はそのまま過ぎる。
そして今日にいたるが、今日は何事もなかったかのように娘と普通に会話した。
でもきっと、自分への信頼は底をついてるだろう。
娘の成長に影響がでるだろう。
妻から聞かれる。
「今回のことは何が原因だと思うのか。何をどうしたいのか?」
ふむ。
分からない。
分からないから暴力をふるったのだ。
しかし、娘がこのまま自分勝手に成長すれば、必ずコミュニティから孤立することは目に見えている。
なぜなら、私自身がそうだったから。
社会に出るまで、私は自分勝手にふるまい、他人の領域を侵し、そして孤立した。孤立というのはずいぶんさみしいものである。
娘に同じ思いをさせたくはない。
娘が同じ思いをせずにすむなら、方法はなんだっていい。
そのために自分が変わる必要があるならそうするべきだ。
相談員はあくまで妻とやりとりをするつもりなので、
私はひたすらググり、本のページを繰るのみ。
そして司令部から指令を待つ。
さて。
明るい未来はやってくるのか。
明日もがんばろ。